AdobeStock_65005066-800x504[1]











油ってなに?

人間が生きていくために欠かせない3大栄養素は、炭水化物、タンパク質、そして油(脂肪)です。この3つの中でも、油のカロリーは1gあたり約9kcalと最も高いため、日々の食事では健康のために油の摂り過ぎに注意している人も多いかもしれません。油の摂り過ぎは肥満などの原因になりますが、一方で人間が活動するためのエネルギー源として欠かすことはできません。
たとえば人間の脳の60%は脂肪でできているといわれていますし、細胞膜やホルモン、胆汁を作る材料になったり、皮膚に潤いを与えるのも油の役割。油は人間が生きていくためには必要不可欠で、重要な働きをしている栄養素なのです。

一見、ダイエットや健康に悪そうなイメージの「油」。最近、油の美肌や健康効果に注目が集まっています。一口に「油」といっても種類はさまざま。健康・美容効果が得られる「体にいい油」とは一体どんなものなのでしょうか?

油には、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。

1. 飽和脂肪酸の特徴

摂りすぎると、悪玉コレステロールが増加し、生活習慣病の原因にもなります。摂り過ぎると体に悪い油と覚えておくといいでしょう。飽和脂肪酸の中でも、消化吸収がよく、体に脂肪がつきにくい種類もあります。ココナッツオイルに代表される「中鎖脂肪酸」というものです。ココナッツオイルも体に良い油ですので、生活に取り入れてみると良いでしょう。

※溶ける温度が高く、室温では固体。体内で合成できる。

飽和脂肪酸は一般的に肉や乳製品に多く含まれる酸化しにくい油で、体にとって重要なエネルギー源です。不足すると血管がもろくなり、脳出血を起こすリスクがある一方、摂り過ぎるとLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を増やし心疾患のリスクが高まります。また、心筋梗塞や、肥満、糖尿病を招く危険性があります。
飽和脂肪酸は、結合する炭素の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分類されます。

<飽和脂肪酸の分類>
短鎖脂肪酸酢、バターなど食品からも摂取できるが、主に腸内発酵で体内で生成される脂肪酸で、脂肪の合成やミネラルの吸収などに使われる
中鎖脂肪酸ココナッツオイルなど長鎖に比べ消化吸収が早く、すぐにエネルギーとして使われ体に蓄積されにくい
長鎖脂肪酸ラード、牛脂などゆっくりと吸収されて肝臓や筋肉などの組織に運ばれたのち、余分なものは体脂肪として蓄積される


2. 不飽和脂肪酸の特徴

「不飽和脂肪酸」は、植物や、魚介類から摂取できます。これに分類されるのは「オレイン酸」や
「DHA」など。これらはコレステロール値を下げ、生活習慣病の予防にも効果があると期待されています。特に、DHAは青魚に多く含まれます。

※低い温度でも溶け、10~20℃程度の室温では液体

不飽和脂肪酸はエネルギー源でもあり、体の各種細胞膜の重要な構成成分です。大きく一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)と分けることができ、その種類によって様々な働きがあります。一般的に飽和脂肪酸に比べ酸化しやすく、特に多価不飽和脂肪酸は加熱調理には向いていません。

20140205-01[1]

















<不飽和脂肪酸の分類>
一価:オメガ9系オレイン酸オリーブオイル、アボカドオイル、アルガンオイル、カメリアオイルなど
多価:オメガ6系リノール酸べに花油、コーン油、グレープシードオイル、コーン油、ゴマ油など
多価:オメガ3系α-リノレン酸エゴマ油、アマニ油など
EPA青魚など
DHA青魚など
  • 一価不飽和脂肪酸
    オメガ9系脂肪酸…体内で合成できる
    HDL(善玉)コレステロールを下げずに、LDL(悪玉)コレステロールだけを除く働きがあり、動脈硬化や高血圧の予防に効果があるといわれています。腸の働きを活性化し、便秘予防にも効果があります。
  • 多価不飽和脂肪酸
    オメガ6系脂肪酸…体内で合成できないため、食べ物からの摂取が必要(必須脂肪酸)
    コレステロール値を下げる働きがありますが、LDL(悪玉)コレステロールだけでなく、HDL(善玉)コレステロールも減少させてしまうため摂りすぎには注意が必要です。また摂りすぎによって、アトピーなどのアレルギー疾患の悪化、動脈硬化を引き起こすリスクも報告されています。
    オメガ3系脂肪酸…体内で合成できないため、食べ物からの摂取が必要(必須脂肪酸)
    血中の中性脂肪を減らすほか、血栓ができるのを防いだり、不整脈の発生を防止したりと生活習慣病予防の効果があります。不足すると皮膚炎、集中力低下などが起こります。ただし、α-リノレン酸は摂りすぎると前立腺がんのリスクが高まる報告があります。       

<オメガ3系脂肪酸の1日の摂取目安量>

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」より
(EPAおよびDHAを1g/日以上摂取することが望まれる)

年齢男性女性
18~29(歳)2.0g1.6g
30~49(歳)2.1g1.6g
50~69(歳)2.4g2.0g
70以上(歳)2.2g1.9g

IMG_0887[1]










医師がオススメする体にいい油とは

ここではさらに「不飽和脂肪酸」のうち、特に良いとされる代表的な脂肪酸と、それらを摂取する上でおすすめの食品をご紹介します。

1、美肌や便秘解消に効果あり=オリーブオイル
05-0_20171123-thumb-500xauto-49861[1]














今や美肌に効果があることで有名なオリーブオイル。オレイン酸の割合が他の食物油に比べて多い特徴があります。空腹時にスプーン1,2杯のオリーブオイルをとると便秘解消に効果的です
あなたが使っているオリーブオイルは本物でしょうか⁉

2、悪玉コレステロールを下げる=ライスオイル
20190609_4be42a[1]












米ぬかからできたライスオイルには体に良い成分が含まれています。紫外線を吸収して皮膚を保護するため、化粧品にも使われており、悪玉コレステロールを下げる働きもあります
3、食用にも使える=椿油
43387536-白い背景の上の椿オイル[1]













髪や肌に使うことの多い椿油ですが、実は食用としても使え「胃」に良い油です。酸化しにくいオレイン酸を含んでいるため、オリーブオイルと同じような効果が期待できます
4、亜麻仁油=アマニオイル
714e7c5444b2e8600c633b766ecf4072[1]










小さじ1杯にオメガ3のα‐リノレン酸が2,5gほど含まれています。オメガ3系のアマニオイルは熱に弱く酸化しやすいので、サラダにかけるなどして摂取しましょう
5、えごま油
3dbda6570250c092bee894b8fe6534ff-1500x1000[1]










別名「シソ油」無味無臭でさらっとしています。えごま油も多くのαリノレン酸が含まれています。
1日の摂取目安量は大さじ1杯位です。こちらも熱に弱いので過熱しないようにしましょう

体にいい油の働き

体にいい油は次のような美肌、健康効果が期待できます。

  • 細胞膜を形成し美肌を保つ
  • ホルモンバランスを保つ
  • 脳や神経の機能を保つ

体にいい油といっても、たくさん摂ることでより健康になるというわけではなく、適度な量を摂取していくことを意識することが重要です。普段の生活で摂る油を健康的なものに変えてみるだけで、無理なく自然に健康生活を送れそうですね。

91I2EInS+FL[1]